三月の土曜、朝八時に三台が並ぶ
三月の土曜、朝八時。まだシャッターを上げたばかりの洗車場の前に、もう三台が並んでいます。先頭は黒のミニバンで、屋根も窓も花粉で黄色くくすんでいます。二台目は毎月お見えになる方、三台目は初めての方で、窓を下ろして「コーティングって、どのくらい時間かかりますか」とお尋ねになります。この時点で、今日の予定はもう一時間ぶん押しています。
困るのは、二台目の方のご記録です。この方が回数券をお持ちなのか、月極のプランに入っておられるのか、前回どのコースだったのかは、たいてい誰かの記憶か、事務所の引き出しの中のノートにあります。書いた本人が休みの土曜には、「前回と同じで」とおっしゃった内容が分かりません。並んでいる後ろの車を待たせながら、ノートをめくることになります。その数分のあいだに、三台目の初めてのお客様は、隣の店に行こうかと考え始めておられるかもしれません。
ProTakip は、この待ち時間をなくすための管理システムです。お客様の車両番号、これまでのご利用、今回のコースと追加、お支払いの状況が一つのカードにまとまります。事務所のパソコンを開かなくても、洗車機の脇に立っているスタッフの端末に同じ内容が出ます。社長ご自身も拭き上げに入る、数人規模のお店を想定して作られています。
車両番号を鍵にして、お客様を思い出す
この商売がほかと違うのは、お客様を覚えるより先に、車を覚えるという点です。お名前は出てこなくても「あの白のワゴンの方」は分かる。ProTakip では、車両番号をお客様のカードに登録しておけます。番号を入力すれば、その車の過去のご利用がそのまま出てきます。
これが効くのは、混んでいる日です。降りてこられる前に画面を見れば、前回いつ、どのコースで、いくらお支払いいただいたかが分かります。「前回と同じで」に自信を持ってお応えできますし、コーティングをかけた日付が残っていれば、そろそろメンテナンスの時期です、というご案内も自然にできます。一台に複数の方が乗られるご家庭も、同じカードにまとめておけます。逆に、一人のお客様が二台三台お持ちの場合も、車ごとの記録が分かれて残るので、どちらの車にいつ何をしたかが混ざりません。
お電話も同じです。Android の端末では、着信の時点でお客様のお名前と過去のご利用が画面に出ます。「土曜の午前は空いていますか」というお問い合わせに、名乗っていただく前から前回の内容を踏まえてお答えできます。設定の手順は着信時の顧客表示のガイドをご覧ください。
手洗い洗車とコーティング、単価の決め方をそろえる
洗車場のメニューは、階段状になっています。外装だけの簡単なコース、内装まで含むコース、鉄粉取りや水垢落としの追加、そして数時間から数日お預かりするコーティング。同じ「洗車」という言葉でも、かかる時間も原価もまるで違います。ProTakip では、コースと追加サービスをあらかじめ商品として登録しておき、受付では選ぶだけにします。
単位は作業に合わせて選べます。一台いくらのコース、大きさで分けた区分、時間でお預かりする作業、回数をまとめたパック。シートやフロアマットの本格的な洗浄まで手がけているお店は、繊維の洗浄の考え方をまとめたカーペット・ソファクリーニング業の管理システムのページも参考になります。店舗そのものの清掃を別部門で請け負っている場合はハウスクリーニング業の管理システムもご覧ください。
登録しておくと、説明がぶれません。入って三日目のスタッフが受付に立っても、店長が受けたときと同じ金額になります。値引きをしたときも、誰がどの伝票で引いたかが残るので、月末に理由を思い出す必要がありません。メニューの組み立て方そのものは料金表の作り方のガイドに、最低金額の置き方や追加の見せ方まで含めてまとめました。
回数券と月極のプラン、残りをどう把握するか
洗車し放題の月極プランや、まとめてお買い上げいただく回数券は、この業種の強みです。お客様は迷わずに来られますし、こちらは月の売上が読めます。ただし運用は面倒です。紙の券は忘れられ、濡れ、破れます。「あと何回残っていましたか」と聞かれて、その場で答えられないお店は少なくありません。
ProTakip では、回数券やプランをパックの商品として登録しておけます。ご利用のたびに、その方のカードに履歴が積み上がります。いつお買い上げいただいて、その後いつ何回お使いになったかが日付とともに並ぶので、残りの回数はその一覧から確認できます。紙の券をお忘れになっても、車両番号で引けば同じことが分かります。
履歴が残ると、次の一手も打てます。今月まだ一度もお見えになっていないプランのお客様、券を買ってから間が空いている方を、記録から拾い出せます。この業種は、来なくなるときに理由をおっしゃいません。黙って来なくなった方に気づけるかどうかが、翌年の売上を分けます。券をお買い上げいただいた直後の一、二回は皆さんお見えになりますが、そこで途切れる方が一定数いらっしゃいます。その時期に一声かけられるかどうかで、次の更新のご案内のしやすさが変わります。
週末の混雑と、シフトと予約
平日の午後は静かで、土日と祝日に集中する。この波は、どれだけ工夫しても平らになりません。だからこそ、その日に何台入るのかを前もって知っておくことに意味があります。ProTakip では、コーティングのように時間のかかる作業をご予約として先にカレンダーへ置けます。当日の飛び込みをどれだけ受けられるかが、朝の時点で見えます。天気予報が外れて急に混む日もありますが、少なくとも「必ず埋まっている枠」が分かっていれば、断る判断も、待ち時間のご案内も早くできます。
スタッフの予定も同じ画面に並びます。誰が何時から入るのか、拭き上げに何人必要なのか。学生のアルバイトの方が土日だけ入るお店では、シフトが毎週変わります。追加は招待コードで行うので、事務所に集まって設定する必要はありません。権限を分ければ、短期の方には売上全体を見せず、担当する作業だけを表示できます。
現場のやり取りは、アプリの中のメッセージとプッシュ・トゥ・トークで足ります。拭き上げの途中で手が濡れていても、押して話すだけで「次はコーティングの車です」と伝えられます。広い敷地の端と端で、大声を出し合う必要がなくなります。全員に向けた連絡と、担当者ひとりへの連絡を分けられるので、手の空いていない人の端末が鳴り続けることもありません。
ディーラーと法人の社用車、まとめてのご依頼
個人のお客様だけでなく、近くの販売店から納車前の車をまとめてお預かりする、法人の社用車を月に一度まとめて洗う、というお仕事もあります。こうしたご依頼は、お金の流れが個人のお客様とまったく違います。単価はあらかじめ決まっていて、台数がまとまって入り、お支払いは翌月に振り込まれます。
ProTakip では、法人のお客様として登録したうえで、その会社向けの単価を商品として持たせておけます。受付では選ぶだけで金額が決まるので、担当が替わっても条件がぶれません。月末には、その会社の分だけを期間で絞って一覧にできます。何台入って、合計いくらで、そのうちいくらがまだ入っていないかが、同じ画面で見られます。納車前の車のように、いつまでに仕上げるかが決まっているご依頼は、予定として先に置いておけば、個人のお客様の受付と取り合いになりません。
未収は、件数が増えるほど見えなくなります。振込が一件だけ抜けていても、忙しい月には気づきません。誰の分がいくら、いつから残っているのかを追う手順は集金と売掛金管理のガイドに、週に一度の締めの形まで含めて書いています。
その日の現金を、その日のうちに合わせる
洗車場は、現金のお支払いがまだ多い商売です。しかも受け取る人が一人ではありません。受付に立っている方、洗車機の脇で追加をお受けした方、閉店間際に最後の一台を受けた方。夕方に金庫を開けて、記録より少ない、あるいは多い、という日が必ず出ます。金額そのものより、原因が分からないまま終わることのほうが後を引きます。誰かを疑うような空気が一度でも生まれると、その職場は続きません。
ProTakip では、入出金を日ごと、期間ごと、担当者ごとに集計できます。その日の終わりに担当者別の合計を出して、手元の現金と突き合わせる。この習慣がつくと、ずれに気づくのがその日のうちになります。一週間経ってから気づいたずれは、もう誰も経緯を思い出せません。
担当者ごとの実績も残ります。誰が何台こなしたか、どの追加サービスをよくお勧めしているか。人を増やすかどうか、誰に何を任せるかの判断が、感覚ではなく記録に基づきます。閑散期に人を減らす判断も、同じ数字から行えます。去年の同じ月に何台入ったかが残っていれば、今年の同じ時期に何人でまわせるかを、天気と勘だけに頼らずに決められます。
洗車場の管理システムを、季節の波に合わせて始める
洗車場の管理システムを入れるなら、繁忙期の直前は避けたほうが賢明です。春の花粉と黄砂、梅雨明け、冬の融雪剤。需要が跳ねる時期の入り口で新しい道具を持ち込むと、覚える余裕がありません。逆に、比較的落ち着いている時期に始めておけば、次の波が来たときには手が覚えています。現場のスタッフが日常的に触るのは、受付の画面、作業の状態、入金の記録の三つだけですので、教えるのに何日もかかることはありません。
Android と iOS の両方に対応しており、Google Play と App Store から入手できます。専用の機械を買い足す必要はなく、今お使いのスマートフォンがそのまま端末になります。今お使いの Excel の顧客名簿や、他社の管理ソフトからのデータ移行にも対応しています。手順は乗り換えとデータ移行のガイドに、はじめて導入するお店が何を確かめるべきかは管理システムの選び方にまとめました。
最初の3か月は無料でお使いいただけます。屋外や地下の駐車場で電波が届かない場所でも、受付と記録は端末の中に保存され、戻った時点で同期されます。なお、ProTakip は会計ソフトではありません。決算や申告の書類は作成しませんので、その部分は今お使いの仕組みや税理士の先生にお任せください。担うのは、日々の受付、作業、お会計を回す部分です。
よくあるご質問
車両番号でお客様を呼び出せますか。
お客様のカードに車両番号を登録しておけば、番号からその車の過去のご利用を呼び出せます。前回のコース、追加の内容、お支払いの状況が並ぶので、降りてこられる前に画面で確認できます。同じご家庭で複数の車をお持ちの場合も、一つのカードにまとめておけます。
回数券や月極のプランの残りは、どう確認しますか。
回数券やプランはパックの商品として登録し、ご利用のたびにお客様のカードへ履歴が積み上がります。いつお買い上げいただいて、その後いつ何回お使いになったかが日付とともに並ぶので、残りの回数はその一覧から確認できます。紙の券をお忘れの日でも、車両番号で引けば同じことが分かります。
コーティングのように時間のかかる作業を、予約として入れられますか。
入れられます。カレンダーに先に置いておけば、当日の飛び込みをどれだけお受けできるかが朝の時点で分かります。担当者の予定も同じ画面に並ぶので、拭き上げに何人必要かの見当がつきます。前日のご確認のご連絡も同じ場所から扱えます。
販売店や法人からのまとめてのご依頼は、どう管理しますか。
法人のお客様として登録し、その会社向けの単価を商品として持たせておけます。月末にその会社の分だけを期間で絞れば、台数と合計、まだ入金されていない分が同じ画面で見られます。翌月の振込の確認がしやすくなります。
その日の現金と記録が合わないことがあります。
入出金は日ごと、期間ごと、担当者ごとに集計できます。閉店時に担当者別の合計を出して手元の現金と突き合わせれば、ずれにその日のうちに気づけます。誰がいつ記録したかも残るので、経緯をたどるのも簡単です。